ガチガチの肩こりは、中々もみほぐすことが出来ません。そんな時は、少し工夫して肩甲骨からマッサージしてみましょう。肩甲骨をほぐして肩周りの筋肉が柔らかくなると、ガチガチで指も入らなかった首肩も緩んできます。
ポイントは四の字に抱え込んでから行うこと、整体師、セラピストの肩こりマッサージの応用となる施術を覚えて手技の幅を広げましょう。
目次
カチコチに固まった肩甲骨、そのコリは奥深くしこりのような塊となって不快感を生みます。
ストレッチや肩甲骨はがしなどの流行りのセルフケアで解消する程度のコリならいいのですが、あまりに肩甲骨のこりがひどくなるとセルフケアではどうにもなりません。
整体やマッサージの仕事をする施術者は、この肩甲骨のこりを取り去ることが出来るだけの技術が必要です。
肩甲骨には、棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、大菱形筋、小菱形筋、肩甲挙筋など、たくさんの筋肉が付着しています。
肩甲骨の動きを良くしてこりを解消するには、それらの筋肉を一つずつほぐしていく必要がありますが、限られた施術時間の中で全ての筋肉をほぐすのは大変です。
出来るだけ効率よく、且つ効果的に肩甲骨に付着している筋肉全てに一気にアプローチする肩甲骨マッサージを覚えていきましょう。
おすすめの肩甲骨マッサージは、4の字と3つのラインを使った方法。
このやり方は軽い力で行え、効率よく肩甲骨をマッサージできることからリラクゼーション系のお店や本格的な整体治療院でも使える手技です。
整体師やセラピストの方は、自分が普段行っている肩甲骨マッサージにプラスアルファして、取り入れてみると今までよりもぐんと肩甲骨がほぐれていきます。
特に注目なのは、ほぐれるスピード。楽に、素早く、しっかりと肩甲骨をほぐしていく施術を覚えましょう。
うつ伏せの状態でお客さんの片方の腕を背中に回し4の字になるようセットします。
次に、施術者の膝をお客さんの腕の下に沿えて腕が落ちないようセットします。高齢者や四十肩等の疾患がある人を施術する場合は、この体勢にした際に肩や胸に痛みがないか必ず確認しましょう。
もしも、痛みを感じる場合は4の字にした腕の角度を緩めて痛くないところでセットし直してください。
押すポイントを3つに分けます。
一つめは、背骨の棘突起のすぐ横、横突起と棘突起の間を肩甲骨の下角(肩甲骨の一番下の部分)から第二胸椎(首の付け根の指一本分手前)まで。これ以上、首元まで指圧すると頭と胸が押しつぶされる形になってしまうのでお客さんに負担が掛かりすぎます。
二つめは、肩甲骨の外側縁に沿って肩甲骨の内側に指を滑り込ませるようなイメージで行います。
三つめは、一つめのラインと二つめのラインの真ん中、肩甲骨と背骨の間を肩甲骨の下角から上角辺りまで指圧します。
順番は特に決まりはないので、やりやすい箇所から行ってください。
二つめのラインをもみほぐす際は、自身の膝を使ってお客さんの4の字にしてある腕がブレないようにしっかりとロックして行うと肩甲骨の内側に指が入りやすくなります。
内側に指が入るほど肩甲骨はほぐれますから、怖がらずにどんどん押してください。これにより、菱形筋と肩甲下筋がほぐされるので肩や背中のコリがスッキリと解消していきます。
肩甲骨のコリが緩んでほぐれたら、ゆっくりと4の字にしてある腕を背中から降ろして元の位置に戻しましょう。反対側に回って同じようにもう片方の肩甲骨もマッサージしてください。
4の字にすることで普通に肩甲骨マッサージするよりも、深く肩甲骨の筋肉にアプローチ出来る為、効果的にコリをほぐすことが出来ます。
ただし、腕を背中に回すことが困難なほど痛む場合は出来ない施術のやり方なので、お客さんに4の字の体勢が辛くないか必ず確認してから行ってください。
腕には肩こりに効くツボがたくさん点在しています。中でも、二の腕の周辺には肩甲骨から背中に掛けて付着している筋肉もある為、ツボも多く肩甲骨ほぐしに、おすすめの箇所です。
中でも、消れき、臑会(じゅえ)肩貞(けんてい)の3つぼは良く効きます。
ツボをピンポイントで狙って押すと言うよりも、その周辺をほぐすイメージで施術した方が効率よく肩甲骨周りを柔らかくすることが出来ます。肩甲骨にも腕のツボ!二の腕のマッサージがコリに効く
消れきは、上腕の後ろ側ほぼ中央に位置し、三角筋の停止部、後下方にあります。腕をまっすぐに下ろした際、肘から指三本分の高さに位置するツボです。
コリコリとした塊のような感触を指先に感じたら、しっかりとその塊をほぐしてください。指先で、そのしこりを解きほぐすように塊を小さくしていくイメージで行うのがポイントです。
肩甲骨のコリをほぐすだけでなく、背中のコリや頭痛、首のコリにも効果があります。拇指(親指)を使って気持ちいいくらいの程よい圧を意識して、揉みほぐすようにして施術して下さい。
臑会(じゅえ)は消れきのやや上方、脇のしわの始まり辺りにあるツボです。このツボは最も肩甲骨と背中のコリや張りをほぐし、痛みや不快感をを解消する効果が高いと言われています。
ツボを意識してピンポイントで押した後、弾くように親指を使ってマッサージするのがポイントです。
肩貞(けんてい)は肩の後ろ側、肩と腕のちょうど境目で脇のしわが始まる部分にあります。
このツボは押すというよりは、押しもむようなイメージでマッサージしましょう。押すような手技は箇所的に角度が合わないので指がずれたり滑ったりして、くすぐったく感じるお客さんもいます。
しっかりとツボに指が入ると、腕から指先にかけて痺れるような感覚を感じます。
肩甲骨にかけてしっかりと効いているサインですが、強く圧を掛け過ぎると痛がる人もいます。お客さんに声かけをしながら、強さ加減を確認して施術していきましょう。
三角筋、大円筋、小円筋、棘上筋、棘下筋、肩甲下筋、これらの筋肉は肩甲骨から腕にかけて付着しています。
つまり、腕をほぐすことで肩甲骨もほぐれるということ。
特に、先程紹介した3つのツボは、腕と肩甲骨を繋いでいる筋肉が密集しているポイント、だから効くんです。
がちこちで指が全く入らない鉄板のような肩甲骨周りの硬い筋肉も、腕からしっかりとほぐしていけば必ず緩んできます。
腕を背中に回す4の字マッサージと経絡三線を意識した肩甲骨マッサージに併せて、腕にある肩甲骨の筋肉を狙った、消れき、臑会、肩貞の3つのツボ押しもセットにして施術を行ってみましょう。
あまりコリがひどい肩甲骨の場合、肩甲骨はがしやストレッチでは全然ほぐれない。腕を背中に回して4の字を作ることで深く肩甲骨の筋肉に圧をかけるマッサージが出来る。
肩甲骨の内側に指がどんどん入る様にほぐす、肩甲骨の内側に指が入って行っても怖がらずにどんどん押すこと。
4の字が崩れにくいように施術者の膝で、お客さんの腕がずり落ちてしまわないようにロックする。ただし、その体勢が辛い人もいるので、必ず、その体勢にした際に痛みがないかを確認すること。
腕には肩甲骨と繋がっている筋肉がたくさんあるので、腕をほぐすことで肩甲骨をほぐすことが出来る。
ツボを意識してほぐすことで効果的に肩甲骨に効かせるマッサージが行える。
あまりに肩甲骨が硬く指が入って行かない時は、腕からほぐして肩甲骨を柔らかくしてからマッサージを行う。