肩こり、腰痛、背中の張りなどあらゆる体に起きるコリを伴う不調の原因は、姿勢にあると言われます。
骨格に備わっている自然なアーチが歪み始めると、あらゆる筋肉に体重の負担が過度に掛かり始め、疲れやこりを感じます。
良い姿勢は疲れにく体、肩こりや腰痛と縁の無い健康な身体の維持に欠かせないのです。
円背(猫背)や側弯、反り腰にストレートネックなど、人が本来持っている脊椎の自然なアーチが崩れた姿勢を言い表す言葉はたくさんあります。
そのどれもが一度発症すると、治すのは一朝一夕にいかず、日常生活や仕事に支障をきたすほど厄介な症状が現れます。
姿勢が崩れれば骨格が崩れていき、体重を分散しているバランスが崩れ、色々な筋肉に過度な負担が掛かり、体にたくさんの不調をきたします。
また、骨盤にも悪い影響を与え、歪みを生じさせるので骨盤の上に乗っかっている内臓の位置関係もおかしくなり内臓本来の働きが弱まります。
結果、肥満や内臓下垂など、筋肉の疲れやコリだけにとどまらないあらゆる弊害を体にもたらします。
世の中にたくさんある整体やマッサージ、リラクゼーションやカイロなど考え方や施術のアプローチは様々ですが、そのどれもが崩れた姿勢やその結果、問題のある個所にアプローチする点では同じです。
それほど、姿勢と健康は強い繋がりを持っているのです。
2006年に行われた実験で、首への首の筋肉が姿勢調節に影響を与えることがわかりました。詳しくは、頚部振動刺激による残存効果が起立動作の重心位置に与える影響
実験内容は、首を最大屈曲した状態で首の周りの筋肉の収縮を行わせず、リラックスして座った姿勢のまま第七頸椎棘突起にバイブレーターによる振動刺激を一分間与える。
その後、椅子から立ち上がった際の体の動揺を計測するといったもの。
実験結果は、姿勢の重心移動が起こり被験者の姿勢が大きく前方に傾くことが報告されました。
この姿勢は、猫背になり肩が内巻きに内旋して頭が体の前方に突出する形のもので、肩こりの典型的な姿勢です。
また、他の実験では、首の筋肉が疲労すると姿勢が大きく動揺することも判明しています。
つまり、首の筋肉の疲れやこりは直接、姿勢に悪影響を及ぼすと言うことです。
首のマッサージの際、特に狙いたいのは胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)と後頭下筋群(こうとうかきんぐん)です。胸鎖乳突筋は首の筋肉の中でも最も大きく首こりに影響を与える箇所。
後頭下筋群は頭の位置調整に非常に関わりのある第一頸椎と第二頸椎に付着している重要な筋肉です。
第一頸椎は脊椎の一番上にくる骨で、一番上の骨が歪めばその下にある全ての骨格の歪みに影響を与えるとも考えられています。詳しくは、骨盤の次は首矯正!第一頸椎の歪みをとる整体
胸鎖乳突筋は仰向きで、円を描く様に親指を使ってマッサージするのがおすすめ。首を横に捻ることで浮き出てくる筋肉なので整体師セラピストに分かりやすくアプローチしやすい筋肉です。
浮き出た胸鎖乳突筋を人差し指と親指で優しく摘み上げるようにしてほぐす方法もおすすめです。
後頭下筋群は、小後頭直筋(しょうこうとうちょくきん)大後頭直筋(だいこうとうちょくきん)下頭斜筋(かとうしゃきん)上頭斜筋(じょうとうしゃきん)の総称で、いずれも首と後頭部の境目である、第一頸椎と第二頸椎に集中しています。
うつ伏せの場合は、両拇指を使って後頭部を包み込む様に押します。この際、真下に押すとお客さんの顔がベットに押し当てられてしまうので、圧は頭の方に向かって上の方向へ掛けて下さい。
仰向けの場合は、片方ずつ拇指を立てるようにして頭の重さを支えます。力ではなく、親指の一本でお客さんの頭を支えることで、頭の重みを利用して圧を掛けることが出来ます。
うつ伏せの場合も、仰向けの場合も、後頭部の内側、真ん中、外側と三つに分けて押しましょう。
しかし、マッサージ業界で働いてまだ日が浅い内は、指強くないのでこの施術のやり方では、指を痛めてしまうこともあります。
自分にはまだ出来そうにないと思ったら、うつ伏せの状態でしっかりとほぐしましょう。
姿勢が悪くなると、猫背、反り腰、ストレートネックなど、色々な症状が現れ始め、そのどれもが一度発症すると治すのにかなりの期間が掛かる。
姿勢が崩れるとは、脊椎の自然なS字のアーチが歪んでいくことで体重の分散のバランスが崩れ、特定の筋肉に過度の負荷が掛かること。骨盤が歪めば内臓にも悪影響が及び、肥満などの原因になる。
首の筋肉の疲れやこりが姿勢に悪影響を与える実験結果が報告された。実験によれば、首が疲れるだけでも姿勢は悪くなる。
首をマッサージする際は、首の筋肉で一番大きな胸鎖乳突筋と頭の位置調整と脊椎全ての歪みに影響を与える後頭下筋群を狙うのがポイント。
胸鎖乳突筋は仰向けで、首を横に捻ると浮き出てくる。親指で円を描く様にほぐすか、人差し指と親指で優しく摘み上げる。
後頭下筋群は、うつ伏せで両親指で押す。圧は頭の方に向かい上向きに掛けること。仰向けの後頭下筋群の施術は、指が強くなってから行うこと。