腰痛や坐骨神経痛へのアプローチとして、色んな施術を試しても効果が出ない。そんな時は、大腰筋マッサージを行ってみましょう。初心者の整体師、セラピストには少しハードルが高いかもしれませんが、練習すれば大丈夫。
大腰筋のマッサージができるようになれば、施術の幅がぐっと広がり、あらゆる腰痛への対応が出来るようになり施術者としての自信に繋がります。
目次
坐骨神経痛とは、腰から太ももを通って足先へ伸びている坐骨神経が何らかの原因で圧迫されることで起こる疼痛のこと。
発症すると脚が重く感じ始め、次第に、疼きや痺れへと発展し力が入りづらくなります。酷くなってくると、疼きや痺れのせいで夜眠ることさえ困難になります。
親指ほどある大きな神経の坐骨神経を圧迫し、痛みや痺れを起こす原因は大きく分けると3つあります。
最も多い原因と言われているのは、椎間板ヘルニアや腰部の脊柱管狭窄症によるものです。
腰から伸びている坐骨神経が椎間板ヘルニアや狭窄症によって圧迫されることで痛みを生じます。いずれの場合も、施術による改善には相当な知識と経験が必要となる極めて難しい治療です。
整形外科でレントゲンを撮り医師の指示に従って治療していくのがベターです。
坐骨神経のすぐ上を通っている梨状筋と呼ばれるお尻の筋肉が硬くなることで、坐骨神経痛を起こす症状のことを梨状筋症候群と呼びます。
梨状筋のコリを緩めることで坐骨神経痛の痛みを緩和することが出来ます。梨状筋は比較的簡単にアプローチが出来る大きな筋肉なので、整体マッサージでの効果を発揮しやすい坐骨神経痛に分類されます。
また、自身でのセルフストレッチでも痛みを解消することが出来ます。詳しくはコチラ、坐骨神経痛!お尻と足のだるさに効くストレッチとツボ
大腰筋と呼ばれる腰から太ももの内側にかけて付いている筋肉が硬くなると坐骨神経を圧迫します。
ほとんどの整体マッサージの施術は梨状筋のコリをほぐして坐骨神経痛を解消しようとします。これは、梨状筋が大きくてほぐしやすい点と直下に坐骨神経が通っている為、押されるとビリビリとした痛みが起こりお客さんの反応が良いからです。
押されている間は効いている感じのする梨状筋のマッサージ。しかし、施術後すぐにまた痛みがぶり返し、またお店に通うというケースは多くあります。
しかし、大腰筋のコリが原因の坐骨神経痛ですから、いくら梨状筋を押して坐骨神経にアプローチしても改善しません。
梨状筋のマッサージをしても、改善しない坐骨神経痛は大腰筋マッサージでアプローチしてみましょう。
大腰筋はお腹から太もも内側にかけて付いている筋肉の為、施術は仰向けで行います。お客さんの膝を45度くらいを目安に立てたら、脚がブレないように施術者の手で押さえましょう。
おへそから太ももの内側に掛けて一直線のラインをイメージします。そのライン上が大腰筋です。
親指ではなく四指を使って優しく真っ直ぐに指を差し込みます。左足側の大腰筋は右手の四指を使い外側に握り込むように差し込みます。
この際、激痛を感じる人もいますので、出来るだけゆっくりとお客さんに確認をしながら圧を強めていきます。
ある程度の圧をかけたら、お客さんの膝を左右にゆっくりと揺らします。きちんと大腰筋を四指で捉えていれば指先に大腰筋の動きを感じることが出来ます。
もし、動きを感じられなければ大腰筋を捉えていないので指の位置を変えてみましょう。
この大腰筋マッサージを効かせるコツは、四指で硬い部分や痛みを強く感じる場所、いわゆるコリを捉えること。
そして、その部分を四指で内側上方に押し込むように圧をかけることです。おへその方に向かって押し上げるようなイメージで行ってみてください。
体幹の筋肉である大腰筋をストレッチするのは大切です。坐骨神経痛だけでなく、腰痛の解消や歩く際の足の上りがよくなるなど、たくさんの良い効果を期待できます。
整体師やセラピストが施術の際に大腰筋ストレッチを取り入れるよりは、坐骨神経痛に悩む本人が毎日こつこつと続けてストレッチを行うことが大切です。
大きく脚を広げて深く息を吐きだしながら、20秒から30秒を目安にストレッチを掛けましょう。
膝に痛みがある時は、机などに掴まって上半身の体重を上手く反らしながら行いましょう。
ポイントは脚を出来るだけ外側に開き、大腰筋を引き伸ばすこと。足の親指を外側にもっていくイメージで行ってみましょう。
施術者がお客さんにストレッチを教える場合、細かい注意点やコツは実際に自分がやってみないとわかりません。
ストレッチの教本を読んで、そのままの文言を伝えるより、自分がやってみて思ったことを伝える方がずっとわかりやすく説明できます。
仕事の休憩時間などを利用して、実際に施術者も大腰筋ストレッチをしてみましょう。
ヘルニアやすべり症の他、梨状筋症候群などで坐骨神経に痛みを感じることがある。梨状筋をマッサージしても坐骨神経痛が治らない時は、大腰筋にアプローチする。
大腰筋のこりが原因で坐骨神経を圧迫し、坐骨神経痛を発症するケースがある。
大腰筋のマッサージは腹部から行い、強さ加減に注意が必要。お客さんの膝を左右に揺らすことで、動きを指先に感じ取ることが出来る。
大腰筋マッサージを覚えると、坐骨神経痛だけでなくあらゆるタイプの腰痛にも対応できるようになる。