朝起きたら、首が全然曲がらない曲げようとすると激しく痛む、寝る前まで何ともなかったのに突然、起こる首の寝違え。そのままにしていても、自然に治癒していきますが出来れば早く治したい。
2、3日も首が動かせないなんてストレスが半端じゃありません。
整体師、セラピストの腕の見せ所ですが、首ばかりマッサージしてもあまり効果がありません。実は、首ではないところを痛めてしまっているからです。
首のマッサージの基本である胸鎖乳突筋のほぐし方はコチラ。
https://www.momisuta.com/massageprofessional/464/
目次
前日まで何ともなかったのに朝起きると首が痛くて曲げられない誰しも一度は経験する首の寝違え。2~3日すれば自然と良くなる場合がほとんどですが、出来るだけ早く治さないと職業柄、業務に支障をきたす人もいます。
不自然な姿勢で眠ってしまい長時間その格好を取ることで一部の筋肉が固まってしまうことで起きる首の寝違え。しかし、本当に首を寝違えているんでしょうか。
首を寝違えていると思って、首をいくらマッサージしても治らない。整体師やセラピストが首を触っても全然硬くないコリもない。そんな不思議なことがよくあります。
寝違えはアプローチすべき本当の箇所を見つけ、きちんとマッサージすればスグに改善することが出来るんです。
寝ている間に首の筋肉が固まってしまう程、同じ姿勢でいることは泥酔でもしていない限りありません。普通は痛くて目が覚めるか寝返りをうって無意識にでも姿勢を変えます。では、なぜ寝違えてしまうのか?
そのほとんどの原因は横向き等の姿勢で寝ることによって起こる腋窩神経の圧迫です。(腋窩(えきか)とは脇の下のくぼんだところ)
腋窩神経は首の筋肉まで繋がっており長時間の同じ姿勢を取ることで圧迫されると腋窩神経の通っている首の筋肉に痛みが起きます。
つまり、腋窩がコリ硬くなることによって直下にある腋窩神経が首に痛みを生じさせるというメカニズム、腋窩神経の周りの腕やわき腹の筋肉は首よりも痛覚が鈍感で長時間同じ姿勢でもあまり痛みを感じません。
結果、長時間、腋窩神経を圧迫する姿勢をとってしまうのです。
首ではなく腋窩を寝違えているケースの首の痛みは腋窩のコリを解消すれば、腋窩神経の圧迫が改善され首の筋肉の痛みもなくなります。
普通、脇の下を触られるとくすぐったく感じますが腋窩にコリがある人の脇の下は軽く腫れていますので触るとくすぐったさよりも痛みが先に感じられます。
腋窩の周りにはリンパ節と呼ばれる体の老廃物を流す為の大切な器官が備わっています。その為、ゴリゴリと揉みほぐすようなマッサージをしてリンパ節を傷つけてしまうと体がだるくなったり、むくみが生じてしまうので注意が必要です。
コツは揉むのではなく押すイメージ。揉むように指を動かすとどうしてもリンパ節を傷つけ易く脇の下の場合くすぐったく感じてしまう為です。
普段はあまり触られずリンパ節もあるデリケートな箇所ですから強さは慎重に加減しましょう。
左右どちら側の腋窩を寝違えているか判断するにはお客さんにバンザイをする感じで腕を挙げてもらいます。その際、腕が上がりにくい方、または腕を挙上したことで首に痛みが出た側の腋窩をマッサージしていきます。
お客さんの手首を軽く握り親指を腋窩に添えます。そのまま拇指を押し込みながら握った手首を自分の方へ引きつけます。
こうすることで腋窩にピンポイントで圧を加えることが出来る為、周りのリンパ節を痛めずにマッサージすることが出来ます。
また、施術者の力とお客さんの腕の角度を利用することで、てこの原理の要領で圧を加えられるのでかなり楽にマッサージが出来ます。
腋窩を寝違えている人にとってその箇所をマッサージされるのは気持ちのいいことではありません。少なからずマッサージ中の痛みは出てしまうものです。
お客さんが痛がるからと言って安易に圧を緩めればそれだけ効き目も半減します。リンパ節や筋肉を傷つけるようなマッサージはもちろんダメですが、腋窩のコリをピンポイントで指圧しほぐすことが出来れば必ず首の痛みは軽減されます。
腋窩マッサージを行ったら合わせてストレッチも行います。マッサージの効果が持続しますし腋窩マッサージが苦手なお客さんもストレッチであれば耐えられます。
痛みのある方の腋窩を上向きにして横臥位(横向き)の姿勢を取ります。施術者はお客さんの背面に立って手首を軽く持ち、円を描くように少しずつ腋窩にストレッチをかけます。
この際に、もう片方の手の手根部分をお客さんの腋窩に添えてストレッチをかけるタイミングで軽く押し込むとストレッチ効果が倍増します。
寝違えのほとんどが首の筋肉ではなく腋窩のコリが原因で腋窩神経を圧迫しているケースです。
しかし、中には首の特定の筋肉に長時間の負荷をかけて炎症を起こしている場合や、内臓、脳、ストレス、首周りの神経に問題がある場合など様々なケースの首の痛みがあります。
熟練の整体師やセラピストでも、首の施術をする際は、圧を加減しながら慎重に行います。それほど、首には重要な神経が密集しており、安易な強押しや矯正は大変危険です。
首の痛みには、腋窩神経だけでなくたくさんの要素が絡んでくることもありますから、痛みが明らかに酷い場合や、長期にわたって痛みや違和感が続くようであれば、マッサージは避け整形外科を受診するよう勧めましょう。
寝違えのほとんどが、首ではなく腋窩を寝違えている。腋窩が睡眠時の姿勢により長時間圧迫され硬くなることで、腋窩神経が圧迫され首と神経が繋がっている為に、寝違えたような痛みを首に感じる。
腋窩をマッサージする際は、優しく丁寧に、リンパ節を傷つけないように行う。コツは、揉むのではなく押すイメージを持って行うこと。
お客さんの腕を利用し、てこの原理の要領でマッサージすると楽に行える。マッサージに併せて、腋窩ストレッチを行うとマッサージの効果が長持ちする。ストレッチは、円を描くように手根を押し込むようにして行う。