家族や友人の肩や腰をマッサージしてほしいと頼まれて、見よう見まねで何となくやってみたけどやっぱり、中々コリをほぐしてあげることができない。
セラピストや整体師としてお店で毎日お客さんの体をほぐしているけど、ガチゴチすぎる硬さのお客さんをしっかりとほぐすことができない。
リラクゼーションや整体の学校、職場などでしっかりと施術のやり方を学んで働く、体を癒すプロでも疲れが溜まり過ぎてガチガチに硬くなりすぎた体のお客さんをほぐすのは難しく、経験を豊富に積んだベテランの域に達しないとほぐせないことがあります。
ベテランの施術者と新人のセラピスト、傍から見てどちらも施術のやり方はほとんど同じように見えます。事実、やっている手技自体は同じで、ベテランだからといって特段、特殊な手技を施術に取り入れているわけではありません。
特に、チェーン展開しているような大手サロンやもみほぐし整体のお店は施術のやり方がお店ごとに決まっているので、勝手にオリジナルの手技をすることは禁止されていることがほとんどです。
それなのになぜ、同じように施術をしているベテラン施術者と新人スタッフでは体のほぐれ方に差がついてしまうのでしょうか。
ベテラン施術者の方が強い圧で押すことが出来るからほぐれている、新人には中々できない微妙な強さ加減の調整が出来ているからコリがほぐれていくのではないか。
確かにベテラン施術は指も強く、強さ加減の調整も経験が豊富な分、上手く相手に合わせることが出来ます。しかし、それらはお客さんと施術者の指の相性次第ですし、強さ加減の調整はお客さんとコミュニケーションを取りながら行えばある程度は調整できます。
コリを芯からほぐす一番のコツは、コリを捉えてから押す時間の長さです。
新人スタッフのほとんどが肩や腰の硬くなっている筋肉の部位を押す時間が短すぎる為、芯からほぐれていきません。3~6秒間程度押しては指を離す、そしてまた押す。
このような押し方で施術を行うので、コリの芯まで圧が届かずにほぐしきれないのです。
芯からコリをほぐすには、15~20秒間コリの中心を捉えて押し続ける必要があります。(コリの深さ硬さなどで個人差があります)
コリを押すと言うのはつまり、縮んで硬くなっている筋肉の部位にピンポイントでストレッチを掛けるということです。
スポーツをする際などに行うストレッチ、しっかりとストレッチの効果を発揮する為にはストレッチをかけて15~20秒間は伸ばし続けなければ筋肉は伸びません。
コリとは筋肉がピンポイントで縮みあがっている状態ですから、そこを指や肘を使って圧を掛けて伸ばすマッサージも同じ位の時間を掛けて伸ばすことでほぐれていきます。
コリを適切な圧で15秒間以上という長さで押し続けると、ゆっくりと硬さが和らいでいくことのが施術者の指先に伝わってきます。これが芯からコリがほぐれていくということです。
この感覚は施術を受けるお客さんにも実感できるので、コリが取れていっているのが分かるといった感想を持ってもらうことが出来ます。
いきなり強い圧でコリを15秒間以上も押し続けられると、されているお客さんは痛くてたまりません。じわりじわりと少しずつ圧を強めていき適切な圧で調整することが大切です。
押す時間も初めは5秒間程度、短めに押して徐々に長くしていくなど、お客さんが出来るだけ不快に感じないよう施術する意識も持ちましょう。
強さ加減は人それぞれの好みや、体調によっても日々変わります。難しく考えずに、とにかくお客さんに聞きながら行うのが鉄則です。
また、コリを捉えることも大切です。肩こり腰痛が辛いといっても、肩や腰にはたくさんの筋肉があり、その筋肉一つ一つも大きなものから小さなものまであります。
肩なら肩、腰なら腰の筋肉のどの部位のどこにコリがあるのかを指や肘を使って探り当て、的確に捉えなければなりません。
ベテラン施術者はこの作業が上手なだけです。
ほとんどの人がコリが出来るポイントは同じですから、トリガーポイント治療の教材などを参考に勉強してみると割と簡単に、どの辺りにコリが出来やすいのかはわかってくるのでおすすめです。
ベテラン施術者も学校や会社での研修を終えたばかりの新人セラピスト整体師も施術のやり方は大して変わらないのに、お客さんの体のほぐれ方に差がつくのは、強さ加減の調整や指の強さなどが原因ではない。
コリを捉えて押す時間の長さが重要、15~20秒間押し続けないとコリはほぐれていかない。
コリの出来る箇所は人間みんな大体同じようなところに出来る。トリガーポイント治療の参考書で勉強するのが分かりやすくておすすめ。
強さ加減はお客さんに聞きながら調整し、いきなり強い圧で長い時間押したりせず、徐々に強く長く押すなどの工夫が大切。
コリを捉える技術がベテランと新人の差、捉えてさえしまえば後は15~20秒間気持ちよく押すだけでコリは芯からほぐれていく。