本当にこれが人間の肩なのかな、というくらいに硬い、まるで石を押しているような感覚に陥るほどの肩こりのお客さんに当たって右往左往してしまったことのある整体師、セラピストは少なくありません。
どうしようもないほどに硬く、強押しの肩こりの人でも、唸りをあげてしまう程に効かせる強押し肩マッサージのやり方をご紹介します。
目次
ひどくなり過ぎた肩こりはマッサージしようにも親指が全く肩の筋肉に入っていかず、肘では当たる面積が広くなりすぎてコリをピンポイントで捉えることが出来ません。
やむを得ず、背中や腕周りをほぐしてから肩のマッサージに入ろうかと思ったところで、お客さんから肩をもっとやってほしいなんてリクエストが来る最悪なシチュエーションを味わったことがあるセラピストや整体師の方は少なくありません。
そこで、どんなに硬い肩こりでも一撃で効かせることが出来る肩の強押しマッサージのやり方を紹介します。支点、力点、作用点を上手く使って行います。
強押しだからと言って、決して力を使うわけではなく、普段のマッサージ同様に体重を使うので女性の施術者でも安心して行うことが出来ます。
まず、お客さんをうつ伏せの状態にして施術者はお客さんの頭の方へ回り込みます。お客さんの右手首(順番は左右どちらからでもOK)を左手で持ち挙げ、45°くらいに開きます。
右手の親指をいつも肩周りのマッサージの際に押すポイントに当て軽く押し込みます。そのまま、お客さんの手首を頭の方に向かって持っていきながら、肩口に押し当てている親指を強く押し込んでいきます。
ポイントはお客さんの手首を施術者自身の方へ引きつけながら頭の方に向かって挙げていくこと。
手首をひきつける力と親指を肩口に押し込む力は同じ位になるよう意識してください。
お客さんの腕が45°から90°の間で、肩口にセットした親指が深くハマる角度を探して止めます。この角度は人それぞれです。
親指が『スポッ』とハマる場所に来たら、そこから更に親指を肩に向かって押し込みます。
反対側の左肩をほぐす際も同じように、施術者の右手でお客さんの左手首を掴み45°から90°の範囲で頭に向かって腕を挙上させながらポイントを探してから、左手の親指で肩口の筋肉を押し込んでください。
このようにお客さんの手首を施術者が掴み挙上させながらマッサージすることで、首肩周りの筋肉が緩み指がどんどん肩の筋肉に入っていくようになります。
弱い圧でも深く圧をかけることが出来るので肩がガチゴチに硬くコリ固まっている人にでもマッサージを効かせることが出来ます。
超がつくほど効かせることが出来る強押しマッサージのやり方なので、強さ加減に注意が必要です。
こり過ぎた肩こりの人は肩周りの神経が鈍化していて、痛みに気が付きにくくなっている場合があります。
お客さんの押されている側の指先にピリピリとした痺れるような感覚があるような場合は圧を弱めて下さい。腕神経叢(わんしんけいそう)と呼ばれる神経に圧が当たっている可能性があります。
肩に押し当てた親指を支点にしてお客さんの腕を頭に向かって絞りあげていくことで圧を深く強くかけることが出来る、てこの原理のような肩こり強押しマッサージ。
最もおすすめの肩こりポイントは、首の付け根あたりにある後斜角筋(こうしゃかくきん)と僧帽筋(そうぼうきん)の境目です。
肩こりのひどい人ほど、このポイントが石のように硬くなっているケースが多く、てこの原理マッサージがハマりやすい箇所なので試してみて下さい。
もちろん人によりますので、いつも自身が行っている肩マッサージの箇所を中心に行うだけでも十分効果があります。
併せて行いたいのが、腕にある肩こりのツボを狙ったマッサージです。肩周りの筋肉のほとんどが、実は腕に付着しています。
上腕部の前面後面を満遍なくほぐしておくだけでも、肩こりを起こしている筋肉は柔らかくなります。
腕はガチガチに硬くなった肩の筋肉よりもほぐしやすいだけでなく、肩こりに対して即効性のあるツボがたくさんあります。
あまりに硬くて指が入らないよう肩こりの場合は、まず初めに腕のマッサージからすることで素早く、そして、効率よく肩の筋肉をほぐすことが出来るんです。
こりが一気にとれる!肩こりに腕のマッサージ!肩こりに効く腕のツボ
ひどすぎる肩こりはマッサージの際に親指が肩の筋肉に入っていかない。てこの原理を応用して行うマッサージは腕の角度(45°から90°)が重要。
ひどすぎる肩こりの人は痛覚が鈍感なので強さ加減に注意、指先に痺れを感じる場合は圧を弱めること。
首の付け根にある後斜角筋と僧帽筋の境目が、肩こりマッサージを効かせるポイントなので、自分の肩マッサージのやり方にプラスして行うと、よりほぐれやすくなる。