肩こりといっても、中にはいろんな種類があります。肩こりの種類に合わせた手技を持っておけば、無駄のない効果的な肩こりアプローチが出来ます。
整体師、セラピストの技術として幅を持つことは、レベルの高い施術を身に付けていく為の第一歩です。押すばかりのやり方ではなく、引き剥がす僧帽筋マッサージをご紹介します。
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デスクワークなどで長時間同じ姿勢を取り続けると背中の筋肉が緊張し凝り固まります。背中にある背筋の中でも一番大きな筋肉は僧帽筋(そうぼうきん)背中の大部分を占める大きな筋肉です。
名の由来は、僧侶の被る帽子の形に筋肉の形状が似ていることから、僧帽筋と名付けられたと言われています。
この僧帽筋は背中から肩口まで繋がっているので、柔らかくもみほぐしておけば肩こりはスッキリ解消します。肩こりだけでなく背中の張りにも効果的で、デスクワークの多い猫背気味の方には、とてもおすすめのマッサージポイントです。
後頭部から背中、肩峰にかけて広い範囲に付着している僧帽筋をほぐすコツは引き剥がすイメージ。とにかく大きくて強い筋肉なのでやみくも押しても全然ほぐれていきません。
特に、女性の施術者など小柄な人は体格の大きなお客さん相手だと、ほぐす面積が広すぎて施術時間が足りませんし、なにより手技が終わるころには疲れて果ててしまいます。
効果的に僧帽筋をほぐすコツは、うつ伏せの状態のお客さんの肩と背中の僧帽筋の境目を狙うことです。特に、肩にかけて効くやり方なので僧帽筋の硬さが原因の肩コリにおすすめのアプローチです。
指圧のように押し込んだり揉みほぐすのではなく、僧帽筋を指先に引っかけて引き剥がすようにマッサージして下さい。
左肩は右手の親指、右肩は左手の親指を使って引き剥がしマッサージを行います。
ほぐれてくるとまるで本のページをめくるように、ぴらぴらと筋肉がめくれていく感覚が指先に伝わってきます。そこまでほぐせれば、背中の張りまでしっかりとほぐれていきます。
僧帽筋は肩峰(けんぽう)と呼ばれる肩口の際まで付着しています。指圧されると気持ちがよく僧帽筋も緩むポイントなのでしっかりと効かせましょう。
この肩峰のポイントに関しては引き剥がすよりもしっかりと押して圧を掛けます。
強めにしっかりとツボを押すイメージを持って圧をかけていきましょう。
背中が丸くなっていく猫背、正式には円背(えんぱい)呼ばれ、実はとても厄介な姿勢です。
猫背になることで、頭が体の中心線から前に出ます。この姿勢になると、体重の10~15%ある頭の重さを首や肩の筋肉で支えなければいけません。
本来なら自然にアーチしている脊椎のアーチが頭の重さを分散させるので、肩や首の筋肉だけでなく、背中にある大きな筋肉である僧帽筋や関節が頭の重さを支えています。
医療業界では、頭部前方位姿勢(FHP)とも言われおり、この姿勢が定着してしまうと肩こりや首こりはもちろん、頭痛、不眠、耳鳴り、眩暈などあらゆる体の不調の原因になると言われています。
僧帽筋に疲れを溜めないようにし、コリをほぐしておくことは猫背の予防、正しく美しい姿勢の保持に関わります。猫背を治せ!ほんとはこわい円背のセルフケアとマッサージ
背中から肩まで伸びている僧帽筋をほぐすと肩こりに効く。大きな筋肉なので全体をマッサージするのは大変なので、ポイントを絞って行う。
僧帽筋は下から上に引き剥がすイメージでマッサージするのがポイントで、ほぐれると本のページをめくるようにぴらぴらした感触を指先に感じる。左肩は右の親指、右肩は左の親指を使うと、指がハマりやすいのでマッサージしやすい。
肩峰に付いている僧帽筋はしっかりと押し込むように指圧すると良く効いて気持ちが良い。
僧帽筋の疲れやコリは猫背を助長する。猫背になると脊椎のアーチが崩れ、重たい頭を首肩の筋肉で支える為、肩こりになるだけでなくたくさんの弊害を体に起こす要因となる。